夢クリニック初診（その３）

 院長先生の問診が終わり、私は血液検査と内診、夫は精液検査に順次呼ばれました。 


朝食をとっただけでお昼過ぎにクリニックに飛び込んで、あと何時間かかるかもわかりません。
夫は途中でクリニックを抜けて、コンビニで買ったものを外で食べてきてました。

私にもおにぎりを買ってきてくれたのですが、夢クリニックって中で食べてはいけないんですよね。

新宿のＫＬＣのほうは、なかに軽食スタンドがあって、お値段もリーズナブルで結構おいしいみたいですね。
そんな話を思い出して、ＫＬＣのほうが良かったかも、とちょっと思いました。

といっても、私も初診で緊張していたせいか、あまりおなかは空かなかったんですが・・・。 



今までも、不妊治療ではなく婦人科にかかったことは何度かあります。

だから、例の診察台も初めてではなかったんですけど、やっぱり緊張しました。

どういう場所で下着を脱ぐんだろうとか、生理中に診察を受ける場合ってどうなるんだろうとか、余計な心配がいろいろだったんですが、なるほどこうなってるのかーと謎が解けた感じ。

隣の人の会話が丸聞こえなのは気になるけど、上半身にはカーテンがかけられていで、先生から顔が見られないのはいいですね。 


問診のときに、「ずいぶん長いこと子宮がんの検査を受けてないねえ。受けたら？」といわれてたので、まずは子宮がんの検査。 


そして、いよいよ超音波を使った検査です。

院長先生が楽しそうに「はい、右おっけーぃ。じゃ次ひだりぃ～」みたいなノリなのが笑えましたが、ぐいぐい押されるのがちょっと痛かった・・・。

押されるままに思わず腰を引いてしまったら、「はい、もっと前に来て～」と言われ。

卵管造影なんて、この比じゃないくらい痛いんでしょうね・・・。 


私たちの番号は当日の最後の受付番号だったので、一人二人と人が減っていきます。

ようやく15時を過ぎる頃になって一番最後に診察室に呼ばれ、さっき問診を受けた場所に座りました。 



「えーっと、○○さんですね。あれ、ないなー。」と院長先生が手元でなにかを探しているそぶりです。

そして、傍らにいた助手の男性に向かって「△△くーん、○○さんの精子がないよ～。」と、注意しました。

といっても、上司が部下を注意するような口ぶりではなく、さっき私の内診のときに「はい、おっけーぃ」と言っていたような、明るい口ぶりです。



確かに、さっき問診のときには画面でうようよしていた誰かの○～が、そのときは映ってませんでした。

やっぱり患者も多いせいもあって、診察のときにちゃんと検査結果が揃ってなかったりするのかしら・・・。 

けど、その助手の方は、先生の指摘にうろたえるふうもなく。

「いえ、ないんです。」といって先生になにやら耳打ちしました。

院長先生がにわかにまじめな顔つきになるのがわかりました。 



そして、衝撃の言葉が。



「・・・精液検査の結果、ご主人の精子は見つかりませんでした」 




・・・ぽかんとする私たち。 


「今日調べたところでは、奥さんのほうは子宮の状態も特に問題はない。

卵巣が少し小さいような気はするけど。

でも、精子がいないことには妊娠はできないからね。」



 「・・・・・・」



 「原因としてはいくつか考えられるけど、血液でホルモンの値を調べてみれば、少しわかるかもしれない。 

30分くらいで結果は出ると思うけど、調べますか？」 


「・・・はい。」 



さっきの助手の人に対して、院長先生が「△△くーん、こういうときにはもっと早く言ってくれないと」と、今度は上司が部下に対する口ぶりで言いました。

もっと早く気がつけば、先に夫の血液まで調べてから診察できて、待ち時間が短縮できたのに、ということだったようです。 



私たちはいったん診察室の外に出て、待合スペースで待つように言われました。
その日の最後の患者だったので、待合スペースにはもう誰もいません。


お互いになんと言ってよいかわからず、カラ元気を振り絞って「びっくりしちゃったね・・・」「まさかね・・・」と笑顔で言い合いました。 


まあでも、血液検査をしてみたら、何かポジティブな材料が見つかるかもしれないし。
そのときはまだ、自分に言い聞かせていました。 


しばらくして夫が血液検査に呼ばれ、それから結果が出るまでの間は、とてもとても長く感じました。


週末の夢クリニックが混んでいるという話は聞いていたので、読み物は持参していました。

テレビもあれば、雑誌もたくさんあるので、15時過ぎに診察室に呼ばれるまでは意外と早かったんです。

でも、もう誰もいない待合室で、お互い会話もなく、さっきの院長先生の言葉を反芻しながら
待つ時間は、ほんとに息詰まる思いでした。



そして、再度診察室に呼ばれたのは、もう16時30分近くでした。 



意外と難しいことだったんだ・・・て自分が体験して初めて気がつきますよね↓



特に男性不妊なんて・・・。

夢クリニック初診（その２）

というわけで、土曜日のお昼、受付時間ぎりぎりに（というかちょっと時間を過ぎて）滑り込んだ夢クリニック。
そうそう、いい忘れましたけど、Day 3 です。

 噂には聞いていましたが、週末だということもあってご夫婦で来ている方々も多く、3階受付は座るところもないくらいの混みようでした。

そこにいる人たちがみんな同じような悩みを抱えていると思うと勇気付けられる反面、知っている人に会っちゃったら恥ずかしいなあ・・・というのが正直なところ。 

もちろん、ここで会ったらお互い様ではあるんですけど。

4階にあがって問診を待つように言われ、まず私だけが看護婦さんの簡単な問診を受けたあと、しばらくして夫と二人で院長先生の問診を受けました。

持参した過去数か月分の基礎体温表（エクセルで作った折れ線グラフをプリントアウトしたもの）を見せたところ、

「ん？基礎体温ががたかたしているね。高温期も短いし、おかしいじゃない。
基礎体温をちゃんと計れていないか、ちゃんと計っているのにグラフが間違っているか、っていうこともあるんじゃない？」との反応。

確かに高温期は短いし、排卵後なかなか高温期に入らないけど、まあ普通に二相にわかれているし、東洋医学研究所クリニックでも「問題ないですねー」という反応だったので、問題があるという自覚はあまりありませんでした。 

だから、「へえ。この体温じゃだめなのかな」とは思いましたが、そんなこと言われても自分も気がつかなかったよーという感じでした。

院長先生は続けて、「これ、見にくいんだよね。基礎体温は市販のこの基礎体温表につけるのが一番いいよ。ここの病院でも売ってるけど」と仁丹のピンクの基礎体温表を見せてくれました。

そのピンクのやつは、私が一番最初に基礎体温表を付け始めたとき（まだ結婚する前だからかれこれ７、８年前？）に使ってたので、なんだか懐かしくなりました。

でも、毎日つけるのに手書きの表って面倒ですよね。
私はもっぱら過去の体温を記憶してくれる体温計とエクセルに頼りきりです。 

院長先生は「まあいいや。とりあえず調べてみないとなんともいえないから」ということで、短い問診は終わりました。 

その間、私はなんとなく先生の左側、私たちの右側にある液晶画面を眺めていると、前の患者さんのものと思われる○～がうようよしてました。

先生の手元にある顕微鏡のプレパラートから、液晶画面に表示されるようにつながっているんですよね。

ああ、こんなふうに見えるんだなーとぼんやり眺めつつ、誰のものとはわからないとはいえ、プライバシーが大切にされていないような気がして、なんだかな～と思いました。

 問診が終わってから夫に「右側のほうの液晶画面に、誰かの○～が動いてたねー。あんなふうに見えるんだー」と冗談交じりに話をすると、夫は「そう？全然気がつかなかった」と。

実は「この人の○～って、なんだか動き鈍いんじゃない？」くらいの強気コメントを抱いてたんですが、この時点ではまだ私は、自分の夫の○～が全然ないなんて、思ってもいませんでした・・・。
とほほです。

まだまだ初心者ですが、赤ちゃん待ちの仲間入りしました♪
 

なかなかたどり着けそうでたどり着けない・・・。

夢クリニック初診（その１）

医療保険にも無事加入して、いよいよ迎えた初診の日。 
2008年1月のとある土曜日でした。 

実は2007年10月に、夢クリニックの説明会には参加していました。
うちの夫は、院長先生の長いプレゼンテーションに途中からすっかり飽きてしまって、子供のようにモジモジ落ち着きがないので、隣にいるこちらがハラハラしました・・・。

ご夫婦で参加してる方は、結構みんなまじめにメモをとったりしているのに・・・。 

あとで感想を聞いたところ、夫いわく、
「要するに排卵誘発剤を打ちすぎると残留卵胞が残ってよくないという話だよね。
だったらもっと短く済むと思うんだけど」
とすげない反応。

「夢クリニックは極端な治療方針みたいだね。
もう一つくらい、別のタイプの病院の話を聞いてみてもいいじゃないの？」とも。 

まあ、確かにいろいろな話を聞いてみたほうがいいのはわかるんです。
でも、その別のタイプの病院とやらを夫が探してくれるかというと、そんなことはもちろんなく・・・。

一応、自分でいろいろと他の病院探しをしてみました。
でも、「これだ！」という決め手がある特色のある病院も見つからず（だからこそ、夢クリニックにしようと決めてたんですし）、しばらく悶々としてました。

 大抵のご夫婦がそうだと思うんですけど、やっぱり不妊治療は女性が主体にならざるを得ないのかしらねー。

比較的夫は協力的なほうだと思うので、私が夢クリニックの説明会を予約したといえば嫌がらずに来てくれるんです。

でも、決して自分からイニシアチブを取ってはくれないんですよね。 

その意味では、男性不妊ということが発覚したことで、夫のほうも真剣に考えるようになったのは不幸中の幸いかな・・・。
（それは夢クリニックに行ってからの話ですけど・・・。 ）

ともあれ、探してみても他に行きたい病院は見つからないし（強いていえばＫＬＣくらい）、医療保険にも加入したし・・・。

というわけで、年も改まったところで、やっぱり夢クリニックに行くことにしました。

ＫＬＣにしようかな・・・ともちょっと思ったんですけど、まあどっちらもいいやくらいのノリで。 その日は、午前中に用事があったので家を出るのが遅くなり、夫と新橋駅に降り立ったのは受付締め切りの直前で12時10分前くらいでした。

場所については夢クリニックのHPの地図でだいたい頭に入っていたし、駅にあった地図にも夢クリニックの場所が載っていたので、意気揚々と向かったんですが・・・。 

しばらく虎ノ門に歩いても歩いても見つからない！
徒歩数分のはずなんだけど・・・とビルの上のほうに看板が出ていないかを探したんですが、全然見つからない・・・。

最後は、夢クリニックに通っている先輩方が、ブログで「1階のコーヒーショップでお茶した」と書いていたのを思い出して、エクセルシオールカフェの横手に回ってやっと入り口を見つけました。

あとで夢クリニックのHPを見たら、確かに入り口は「ガス灯通り側です」って書いてあるんですけど、そんなの気がつかなかったよ～。 

というわけで、汗ばみながら受付に駆け込んだのは12時5分過ぎくらい。

私は入り口に入ったとたん、たくさんの人がいるのに怯んでしまったんです。
でも、夫がさっさと受付まで行ってくれました・・・。 

時間は過ぎていたけど、とりあえず受け付けてもらえることになりました。受付番号142番です。


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